2011年11月30日
今般リニューアルされた門野幾之進記念館では、地元の子供たちの教育に活用してもらうため、わかりやすさ、親しみやすさに重きを置いた展示構成とされました。特に、幼少時代の勉強の努力を厚く紹介し、わずか満15歳で慶應義塾の教師となり「ボーイ教師」と呼ばれたことに光を当てています。そのため、来場者には子供向け展示解説「ボーイ教師といわれた鳥羽の賢人 門野幾之進物語」と題する小冊子が無料配付されます。
今回新たに展示された福沢、慶應義塾に関連した資料のうち代表的なものには次のようなものがあります。
・門野幾之進の成績が記された明治4年の慶應義塾の成績表(複製)
・門野幾之進が講義に使用したアダム・スミス『国富論』
・福沢諭吉書幅「伯夷其心而柳下恵其行」
(その心を伯夷にしてその行いを柳下恵にせよ)
・福沢諭吉より門野幾之進に宛てた書簡
・宴席での犬養毅(教え子)と幾之進のキスを描いた漫画(北沢楽天筆、5・15事件前月)
このほかにも、門野家や鳥羽藩に関連する資料、千代田生命やその他の実業界での活躍に関連する資料なども多数展示されています。また中庭には、山本達雄(日銀総裁、慶應義塾評議員会議長を歴任)、小泉信三(塾長、東宮御教育参与をつとめた)による記念碑も建立されています。(都倉)