
2026年6月4日(木)、東京大学名誉教授・法政大学名誉教授・日本学士院会員の渡辺浩氏を三田キャンパスにお迎えし、
2026年度第1回福澤研究センター講演会(法学研究科プロジェクト科目共催)を開催しました。
当日は本センター所員や教員に加え、多くの学部生や大学院生が出席し、さらに塾外からも研究者が集うなど、
参加者は50名以上に及びました。
【講演概要】
題目: 『「自我」と「個人」について考える-近世・近代西欧と徳川日本』
講師: 渡辺 浩 氏(東京大学名誉教授・法政大学名誉教授・日本学士院会員)
【講演内容】
写真もDNA鑑定も戸籍謄本もない江戸時代、人々は今日的な「個人」の観念を持っていたのだろうか――。
それが渡辺浩先生の大胆な問題提起です。
講演の内容は、西洋語の「Individual」の検討から始まり、近世・近代西欧から海を渡って徳川日本へ。
当時の日本における「合名」「入れ子」「一人両名」といった、一見すると俄かには信じ難い事例の数々が、
ユーモアを交えながら次々と紹介されました。
一生のうちに名前も身分も役割も変わり得る社会において、 そもそも「本当の私は誰か」と悩む余地があったのだろうか。
「自我」や「個人」「個性」といった訳語の歴史的な成立を辿るなかで、根源的な思想的問いへ誘われます。
「私は私である」という日々の「当たり前」が土台から揺さぶられ、会場全体が知的な興奮に包まれた、
刺激的な2時間の講演でした。
(法学研究科修士課程1年 金子野生)
【福澤研究センターより】
福澤研究センターは今後もこのような講演会を開催して参ります。
