展覧会の会期が残りわずかとなりました。

たくさんのご遺族や当事者の方にお声かけいただきました。また、そっと来場された方も多かったことと思います。

実物資料のご提供もありました。順次ご紹介できればと思います。本日ご寄贈いただいた資料は戦死された肥田頴さん(予科1年で学徒出陣、19年10月フィリピンで戦死)の日の丸です。

日の丸は複数ご寄贈いただいておりますが、どれ一つとして同じものはありません。そして、戦死された方の日の丸は、実は初めてです。ご寄贈者は妹の村田久子さん。お話を伺うと、「エンディングノート」で、「私の棺に入れて」と書くつもりだったが、今回の展示に来て、大学で残してもらえれば、と持参して下さったとのこと。

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寄贈手続きの後、旧図書館のステンドグラスや塾監局前の平和来・還らざる学友の碑などにご案内すると、「兄もここ(三田)に来たでしょうね」と仰って、お帰りになりました。

「こういうものが残っていたが棺に入れて燃やしてしまった」という話を時々耳にします。「捨ててしまった」という話ともしょっちゅう出くわします。もしまだ存在するもので、大学に残すことが棺に入れるのと同様に、あるいは処分してしまうこと以上に、ご本人の希望に添う(と思われる)ようでしたら、力になれればと改めて思っております。

一つ一つはごくプライベートな記録と思われるモノでも、それをできるだけ幅広く、厚く残しておくことで、この時代が立体的に記録出来ると思われるからです。そして、そうしていくことで、この時代についてより深く多面的に考察することができるようにもなると思う次第です。